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鏡地獄

外は吹雪。何だか冬に逆戻りですね。
こんばんは。濃紺です。

日曜日に観たDVDが江戸川乱歩原作だったので、今夜は乱歩にちなんだ話でもしよう。

江戸川乱歩と言えば、『少年探偵団』とか『怪人二十面相』のイメージが強い方も多いと思うが、子供向けの探偵小説を書く前は、大人向けのエグい作品が多い。

『鏡地獄』という作品を御存知だろうか?
主人公は、鏡やレンズに執着する男。
男は内側が鏡になっている球体に、電球を引き込み、その中に閉じこもる。
凹レンズ状になった鏡の世界と、その内部の「凄まじい光景」によって、やがて男は発狂してしまうというお話だ。

それを踏まえた上で---

以前、興味本位でとある街にある万華鏡ギャラリーを訪れた時のことだ。

皆さんも一度や二度は万華鏡を手に取ったことがあると思うが、万華鏡とは、三枚の鏡板を組んだ三角柱の中に種々の色ガラスや色紙の小片を入れたもの。
回しながらのぞいて模様の変化を見る。鏡板の形状は三角柱のものがポピュラーだが、四角柱、五角柱等バリエーションをつけると、形成される模様のベースも変わってくるという仕組みだ。

古い民家のような小さな建物の中には、世界各国の万華鏡が展示・販売してあった。

『金はないけど暇はある』私は、その1つ1つを手に取っては、くるくると回した。
気さくな御主人は、そんな私を邪険に扱うこともせず、丁寧に解説してくれた。



「こんな田舎町に、世界的にも珍しい万華鏡がこんなにあるとは思いませんでしたよ」

「ははは、田舎町は余計だな。ちなみにそれは世界に4つしかない。壊さないでくれよ」

「あ、スイマセン。つい本音が出てしまいました。しかしこうして万華鏡を覗いていると…乱歩の鏡地獄を思い出しますね」

「おお!君はその話を知っているのか?」

「ええ、何度か読みましたよ」

「私が万華鏡に魅せられた切っ掛けの1つは、鏡地獄なんだよ」

「あ、なるほど。その成り行きはわからんでもないです。しかし、こうやって覗いていると…万華鏡には一種の中毒性があるような気がします」

「おい、ここで発狂しないでくれよ」

「あはは、大丈夫ですよ」

「そうだ、面白いものがあるんだ…」

財布の中身は寂しかったのだが、私は御主人の言う“面白いもの”を格安の値段で購入した。
その万華鏡の中には、ガラスの欠片も色紙の小片も入っていない。
つまり、外の景色そのものが三角柱の鏡に映し出されるだけのものだ。

「帰りのJRの窓から、物凄いスピードで過ぎ行く外の景色をこれで覗いてごらん、ブッ飛ぶよ」

滅多に乗り物酔いをしない私であるが、この時ばかりは列車のトイレでしたたかに吐いてしまったのだった。



++関連リンク++
球形の鏡の部屋の内部の様子をシミュレートするという、大変興味深い検証をしているサイトがあったので御紹介。

CG Gallery(Shade)/鏡地獄

鏡地獄:球面鏡の内部のレイトレース



狂気/ピンク・フロイド

全米チャート・イン連続724週という記録を持つ、1972年発売のギガ・ヒット・アルバム。

ジャケの雰囲気も、いかにもプログレですね。名盤です。






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コメント

うひゃー…。
乗り物に弱いアタシなら一発ですな(汗)。

鏡地獄、DVDで観ました。
鏡って不思議な力を持つものとして扱われることありますよね。

万華鏡のお店、どこにあるのですか?

■櫻利さん
その気になれば、天国にも逝けちゃう程です。
呉々もお気を付け下さい(笑。


■キスゲさん
原作の本もなかなか良いですよ。
ちなみのお店のヒントは「パッチワークの丘」でございます。

とある夏の日に街の小学生が

;゚д゚)<夏休みの工作でさぁ~。
     マンキ鏡を作ったんだよ。マンキ鏡。

と、言っておった記憶があります。

ず~~っと、マンゲ鏡を見続けていると
巷の小学生がおっしゃるとおりに
脳ミソが’マンキ状態’になりそうになります・・・(*´д`*)。

■にこぽんさん
マンキ鏡も、一度くらいは覗いてみたいであります。

しかし万華鏡をカタカナでマンゲ鏡と書くと、ちょっぴりヒワイな気がする今日この頃であります。

パッチワークの丘にあるお店がこの時季に営業しているんですね。

拓真館なんかも年中開館しているんでしたっけ?

綺麗なパッチワークの景色、覚えています。

あ、日記に「以前」って書いてありましたね。

私が行ったのは夏だったかな?

機会があったら行ってみてくださいね。
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Author:Ystk a.k.a濃紺
◆1971年生まれ。廃人寸前からサラリーマンへ奇跡の転身。 音楽好き。愛すべき80年代カルチャーを礎に、現在を生き未来を感じたい。東京→仙台→札幌→福岡。

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