唐津 その3

虹の松原に行ってみた。

17世紀のはじめ、唐津藩の藩主である寺沢広高が新田開発の一環として、防風林、防砂林として植樹を行った。
日本三大松原のひとつで特別名勝に指定され、日本の白砂青松100選、日本の渚百選、かおり風景100選、日本の道100選にも選ばれている。玄海国定公園の一部。長さ約5kmにわたって弧状にクロマツの林が続く。

しばらく道路沿いに歩いていたのだが、歩けど景色に変化がなく、5分くらいで飽きてきた。
そして、私がとった行動は、『松林の中に入ってみること』だった。
しかし、それはそれで、やはり歩けど歩けど松林であり、そのうち方向感覚が狂ってきたし、距離感も分からなくなってきた。いったいここはどこなんだ?
こんな時は慌てずに、iPhoneでGoogle Mapを起動!
あれ?
iPhoneが現在地を取得しない。
「電波が届かないところ」って、久々に来たな!
そこで芽生える、少しばかりの不安感は、現代人ならではだ。

松林を進む。
気付けば額と背中に汗が滲んでいた。
喉が渇いて仕方ないが、ペットボトルの中のお茶は残りわずか。
コンビニは?自販機は?
だからここは松林。
一体どこまで行けば…?
と思っていると、

誰もいない海に出た。

落とし物か?
それとも、打ち上げられたものか?

結構長いこと、海を眺めていた。
「海を見ると、自分の悩み事なんて、ちっぽけなものに感じるよね!」というのが、お決まりのパターンだと思うが、この日の私は、とてもそうは思えず、ココロの片隅に、何かがひっかかったままだった。
ひっかかった「何か」は、いつか消えてなくなるのだろうか。
そうであって欲しい。

iPhoneの電波は復旧していた。
人里は近い。
「帰るか」
この日、私の中で、今年の夏が終わった。
■JUDY AND MARY - DAYDREAM
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