ノー・コントロール

What do you call that noise ?

Technopolis  

 「ロック」という単語を、漠然と意識したのは、小学校の低学年の頃だった。なんとなくわかるような、全然わからないような、得体の知れないものであった。

そこで、一つの不幸(?)が起こった。テレビの中に突如出現した、革ジャンにサングラス、リーゼントの男達。「横浜銀蠅」の登場である。

少年だった私にとって、そのルックスは、まさに「ツッパリ」そのものだったのである。当時、世の中には、「校内暴力」とか、「暴走族」なんて言葉が溢れかえっており、ツッパリカルチャー全盛期だったのだが、私は子供ながらに、「ツッパリ…なんかダセェ…」と思っていたのである。

太いズボンに、うるさいバイクで「今夜もバリバリだぜぇ」とか、いや!もうやめて!なんか恥ずかしい!そして、スプレーで壁に書かれた「夜露死苦」とか、「愛羅武勇」とか、「仏恥義理」なんて文字を見ては、「なんでツッパリは難しい漢字を知っているのだろう?」という疑問を抱き、大いに混乱したものだ。

今思うと、横浜銀蝿が日本の音楽シーンでなしえたことは、とてもユニークで、面白いことだと思うのだが(このテーマについても、いずれ書きたいところだ)、ツッパリカルチャーとシンクロした横浜銀蠅というアイコンは、私の中に、「ロック…なんか頭悪そうだな。うるさいし」という、奇妙なバイアスをかけたのは事実であり、その誤解がとけるには、それなりの時間が必要になるのであった。


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 そんな80年代初頭。「ほとんどビョーキ」な街、東京の小学生だった私に衝撃を与えたのがYMOである。「衝撃」なんて言葉を使うと、とても大袈裟に思われるかもしれないが、これが本当に衝撃だったのだ。

今まで聴いたことのない、メロディー、リズム、音色。着ている服、髪型、淡々と演奏する姿。全てがショッキングだった。単純に「かっこいい!」と思った。「バリバリだぜぇ」とは、違うんだぜぇ。

日本の高度経済成長期は、ひとまず落ち着き、次に訪れるバブル経済期の狭間。建設途中の高層ビルを見上げて、「トキオ…」と呟いたあの日から、30年以上が経った。

「自我」とか、「アイデンティティー」」という言葉なんて、勿論知らなかった少年期に、YMOを感覚的に捉えていたことは、自分の中において、とても大きな出来事だ。「よくわからないけれど、かっこいい」これが実に重要なことだと思う。

あの頃、よくわからなかったことが、今になって分かったような気がすることが、近頃たまにある。それは、音楽的なことだけではなくて、もっと長いスパンで見たカルチャーや精神性。ぼんやりといていた点が、30数年をかけて線になる。それと同時に、かつて苦手と思い込んでいた「ロック」が輝きを増すのが、不思議なような、皮肉なような話である。

きっとこれからも、私は思い出したようにYMOを聴くのだろう。




■YouTube-Technopolis / YMO




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