エロトピア

食いたい時に食いたいだけ食って、飲みたい時に飲みたいだけ飲んでいたら、すっかり太ってしまった訳で、言い換えるとこれブーデーであり、こりゃイカンとウォーキングや腹筋なども始めてみたが、生来の根性無し故か、本格的なダイエット生活とはいかず、「大好きなラーメンは週に一度だけ」と心に決め、本日がその大事な週に一度の日であり、梅雨の晴れ間、額の汗を拭いながら、それでもウキウキと歩いていたのであった。

すると視界に飛び込んできたのは、歩道と車道の間に落ちているピンク色の物体X。

私が「何じゃこりゃ?」と目をこらしてよく見ると、果たしてそれは使用済みの避妊具、所謂コンドームであった。

おお、何故こんなモノが天下の往来に落ちているのか。
そのブツはわざとその場に放置されたのか、それとも何らかのアクシデントにより、その場にデロンと鎮座しているのかはわからぬが、週に一度のラーメンdayでウキウキ・ウォーキングだった私のテンションは急降下し、路上コンドームを装着していた男、もしくは路上にコンドームを遺棄した女を殺したいほどの怒りに震えたのである。

その状況は、「ああ、路上に使用済みコンドームね、よくあることだよね」とは到底思えぬが、いくら珍しい光景とはいえ、「おお、こりゃ珍しい。面白いから写真に撮っておこう」という気にもさせない。

私は、路上に軍手や靴下がたまにおちているのを見かけては、少し「ああ、面白い」という気分になるのだが、本日遭遇したこの物体にいたっては、不愉快でしかなかった。

さて、気になるのはその物体の今後であるが、放っておいても土に還るものでもなく、かといって私はそれをつまみ上げ、ゴミ箱に入れることもなく、その場に放置してきた訳だが、毎日通るその道に、明日もそいつは転がっているのかどうかである。

しかるべきモノはしかるべき場所に。
所定の位置に。
ゴミはゴミ箱に。
そしてエロスは密やかに。

路上にて、夏の陽射しに照らされる精液、ひいてはDNA入りのそれををゴミと呼ぶのかどうかはわからぬが、そんなことはどうでも良い。

私は良い気分でラーメンが食べたいだけなのである。




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濃紺

Author:濃紺
◆1971年生まれ。廃人寸前からサラリーマンへ奇跡の転身。 音楽好き。愛すべき80年代カルチャーを礎に、現在を生き未来を感じたい。東京→仙台→札幌→福岡。

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