破壊と構築
ベランダから同時進行で見えるのは、古いアパートの解体工事と高層マンションの建築工事。対照的な二つの光景だ。
我々の身体の中で起こっていること(組織や細胞など)も、これと非常に似たものかもしれない。
生物の体内だけの話ではなく、様々な文化や思想なんかもそうかもしれないね。
勿論、破壊して新たなものを生み出すことのみが手段でも正義でもなくて、上書きやリフォームみたいなことも場合によっては有効なのだろう。コストの圧縮を考えれば尚更。
それでも、建物がぶっ壊されていく光景を見ていると、得体のしれない不思議な感情になる。その建物に思い出や思い入れがないからこそかもしれないが、ワクワクとは少し違う興奮がある。爽快感と言い換えると、また少し違うのだが。この感情は一体何なんだろう?打ち上げ花火を見ている時の気持ちに少し近いような気もするのだが。
アパートの屋根がパワーショベルでバリバリと剥がされていくのを、しばらく眺めていた。