ノー・コントロール

What do you call that noise ?

Stay Away  

めっきり秋ですね。
毎年この時期は、何を着たらよいのか、全くわからないでござる。

さて、早起き。
コンビニのレジ袋を鞄に見立て、袋の中にタバコとライターと携帯灰皿、携帯電話と財布と、読みかけの本と猫の餌をガサゴソとブチ込み、いつもの公園へ。

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缶コーヒーを買い求め、ベンチで一服。
やあやあ、みんなおはようさん。
猫と一緒に読書に耽る。これもまた正しい秋の朝のすごし方である。

Image1627.jpg『カート&コートニー リアルワーズ』

NIRVANAの故・カート・コバーンと、その妻でHOLEのヴォーカリスト、コートニー・ラブの発言集だ。

NIRVANAが全世界的にブレイクした90年代初頭。
しかし私個人はあまりピンとこなかった。




Image1625.jpgパンクでもなくハードロックでもなくヘヴィーメタルでもなく、ポップなのにどこか少し暗いメロディーの繰り返しに、「ああ中途半端で退屈な音楽だなあ」と思ったものだ。

当時はそれよりも、ダンスミュージックにロックギターを見事に融合させたジーザス・ジョーンズや、所謂シューゲイザー、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの轟音ギターノイズと甘美なメロディに夢中であった。


NIRVANAは、1994年4月5日、カート・コバーンが自宅で自殺したことで事実上の解散となる。
当時大学生だった私は、行きつけの練習スタジオでその報せを知ることになるのだが、その時は「へえ、そうなんだ」くらいにしか思わなかった。当時はNIRVANAに対する思い入れが、ほとんどなかったのである。

その頃の私は、大学には通ってなんとなく真面目に(?)勉強はしていたものの、サークル活動をしていなかったので、学内に友人はほとんどなく、もっぱら学外でのバンド活動が生活の中心であった。月に1~3度のライブ。その為だけに毎日はあった。

何もわかっていない若造の癖に、世の中に対し変なところで冷めた態度をとり、所謂ロック・ミュージックに関わるカルチャーにどっぷり漬かることもできず、よくわからん自分の解釈で、毎日をダラダラと過ごしていた。

飲めない酒を浴びるように飲み、眠くなれば眠り、腹が減れば食い、毎日ギターを弾き、音楽を聴いて本を読み、たまに珍しく気の合う友人と、他愛もない話をして過ごした。その合間に単位を取得するに足る程度の勉学をする。

そんな暮らしを続けるうちに、私の中の何かが崩壊するのも、今思えば必然だったのかもしれない。
自分ではこの時期を『第一次濃紺ビッグバン』、『ファースト・インパクト』と位置づけている。
メシさえ食わず、太陽が怖いから昼間からカーテンを閉め切り、夜になればなったで蛍光灯の光が眩し過ぎて目を開けていることもままならず、蝋燭の光で過ごした。お香とタバコの煙が充満した、昼も夜も薄暗い部屋で、ヘッドフォンをしたまま過ごした。

Image1626.jpgそんな時に聴き返したNIRVANA-カート・コバーンの声は、その時の私の精神状態にピッタリとシンクロした(ような気がした)。
あれだけピンとこなかったNIRVANAの音楽が、ジワジワとボディ・ブローのように効いてきたのだ。
もう「いない」カートの声が、私の鼓膜と胸に突き刺さり、私は泣いた。
泣き叫びながら、食器棚の食器を滅茶苦茶に叩き割り、アパートの壁を殴っては穴を開け、振りかぶったギターで、天井からぶら下がっている蛍光灯を殴打した。蛍光灯は粉々に砕けて、頭からその破片をまともにかぶることになった。


猫を抱き、ページを捲りながら、そんな昔のことを思い出していた。
青臭いといえば、あまりに青臭すぎるが、そんな【無駄な日々】がなければ、今、私はここでこうして過去を振り返り、駄文を垂れ流すこともなく、これを読んでいるあなたも、これを見ていることはない。
【無駄な日々】は、本当に無駄だったのかどうか?今の私にはわからないが、これから少し先の未来に、また当時のことを振り返ったとして、「無駄な日々は決して無駄ではなかった」と、少しでも思うことができれば、それだけで。言葉としては明らかに矛盾しているが、ただもう、それだけで。

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そんな訳で、近頃NIRVANAをよく聴いている。




■YouTube-Stay Away / NIRVANA
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パスポ音  

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今年の春から、やたら空港に来る機会が多い。実際自分が乗る回数は、そんなに多くはないのだけれど。

仮に…仮にですよ(ここからサンボマスター口調)。

空席があって、フラッと乗っちゃぃたりしたらですね。しかも事前に缶ビールを1リットル程、一気に呑んで、乗り込んでですね。そしたら、昼寝している間に異国ですよ。

そういうのって憧れるのですよ!想像するだけで、ワクワクするのですよ!

…でも、やめましょう。「仮に」とか「たら」とか、「れば」とか、そういうのは、やめようじゃないですか。逆に虚しさが胸の中を駆け巡るだけですから。

だから僕は、心の中で叫ぶのですよ!憧れを抱きながら、いろいろなことを叫ぶのですよ(サンボマスター口調終わり)!


つーかさ、そもそも私はパスポートを持っていない。アレは一体、どこで作るのだろう?市役所?区役所?コンビニじゃ作れねえよな。

わからないから検索しようと思ったのだけれど、それはやめてみた。だって、私にとっては早急に必要なモノではないのだから。

空港のザワザワした音が好きだ。

きっと近いうちに、用もなく空港に行ってしまうような…そんな気がする。

An Echo, A Stain  

20091022233344.jpg「夜が終わらなければいいのに」と思う時と、「夜なんか早く終わっちまえばいいのに」と思う時がある。我ながら、勝手なもんだ。今夜はどっちなんだろう?

とりあえず、濃いめに作ったジントニックが美味い。

あとは、歯を磨いてから、気持ちの良い音楽を聴きながら眠るだけだ。


20091022233525.jpgさて、今夜は何を聴こう?

久々にビョークでも…今夜はあの声が聴きたい気分なんだ。どのアルバムにしようかな。

それをぼんやり考える時間も、それなりに楽しいものだ。

赤地に『~』  

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自販機で秋を感じたのですよ。

ちなみに、コンビニで肉まん買ったら「ああ、冬が始まるんだなあ」と思い、おでんを買ったら「真冬だなあ」と思うのであります。

Singing in the rain  

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天気雨。
決して好きではない。だって濡れるじゃん。
でもね、嫌いではない。何か面白いじゃん。

天気雨。
本当は、結構好きかもしれない。
よくわかんねえや。
自分のことなんだけれどさ。

ああ、雨に打たれていたらさ、少し気持ち良かったんだ。




■YouTube-"I'm Singing in the rain", Gene Kelly

洋服を着た犬  

Sunday morning
いつもの公園。

「その猫、君が飼っているのかい?」
「いや、飼っている訳じゃなくて、こいつはこの公園に住んでいる…俺の友達だ」

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オランダから来たというAmirとの会話は、そんな他愛ない話題から始まった。ロック好きで、油絵を描く彼と、カタコトのBroken Englishで、いろいろなことを話した。アート、音楽、東洋と西洋の文化や歴史のこと、食べ物や女の子のこと。お互い、Nine inch nailsと、アンディ・ウォホールのファンということがわかり、意気投合したのだ。

「よかったら朝食を一緒に食べないか?」
私は公園の近くにある行きつけの超高級店、YOSHINOYAにて、彼にGYU-DONを奢ろうと思ったのだが、彼はベジタリアンであった。ベジタリアンである彼にとって、値段が手頃な食事をとることにおいては、日本はあまり優しい国ではないらしい。

自動販売機で、彼はコーラを、私はコーヒーを買い、並んでベンチに腰掛けた。彼はポケットからマルボロの箱を出して、私に一本勧めた。私は「ありがとう、でも自分のがあるから大丈夫」と、お互い自分のタバコに火をつけて、煙を吐き出した。

文法や発音が目茶苦茶でも、話していればなんとかなるものだ。最初は頭の中で考えながら話していたのだが、30分も話していると、お互い冗談も言えるようになり、ゲラゲラ笑った。吐き出しているのが、タバコの煙でなければ、我々はもっとバカ笑いをしていたことだろう。オランダはアレがアレな国なので、尚更そう思った。

日曜日の朝の公園には、犬の散歩の人が多い。
Amirは、唐突に向こう側を指さして言った。

「Look ノウコン! 犬が服を着ている!」

洋服を着(せられ)ているミニチュア・ダックスフントが、トコトコと歩いている。私にとっては見慣れた光景だが、彼にとっては、犬が服を着ているのが、とてもストレンジかつファニーに思えるらしい。

「何故犬が服を?」
「…日本の犬は、寒がりなのさ。日本には豊かな四季があってだな、冬になると、犬も人と同じように厚着をするんだ。あと一月も経てば、ダウンジャケットを着込んで、マフラーを巻いた犬も出て来るんだ」
「そうか」

そこに『裸の』柴犬が通った。
「あの犬は…服を着ないのか?」
「あれは寒さに強い種類なんだ」
「そうか」

Amirは頷いて、コーラを飲み干すと、手にしたまま、火を点けていないマルボロを指先でくるくる回していたのだが、ふいにその動きをピタリと止めた。

「なあ、ノウコン…ずっと君の足元で寝そべっているその猫…君の友達は、服を着ていないが寒くないのか?」
「ああ…こ、こいつは大丈夫だ。上等な毛皮を…着ているからな」

Brokenながらも饒舌に(?)話していた私が口ごもったのを、彼は見逃さなかった。彼はその大きな目で私をじっと見つめつつ、おもむろに歌い出した。

「You~You~♪」
「何の歌だい?」
「You~LIAR(嘘つき)♪」

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そして、二人でゲラゲラと笑ったのだった。私は一応「ソーリー」と謝罪した。彼は笑ったまま握手を求めてきた。

「君と話せて楽しい時間を過ごせたよ。ありがとう」
お決まりの文句かもしれないが、嬉しかった。

「君の旅が、今日一日が素敵な日であるよう」私は彼の手を強く握り返した。

彼は「サンキュー、グッドラック」と言い、我々は別れた。少し歩いて振り返ると、彼は私とは逆方向に後ろ向きで歩きながら手を振っていた。

グッドラック…幸運を。
良い言葉だなと思った。

  

「朝だぜオーイェー」と目覚めたら、まだド深夜であった。
しかもあまり良い目覚め方ではない。夢の中とはいえ、何度も殺されるのは、決して気分の良いものではない。

潜在意識が夢に影響するのを頭から否定はできないが、所謂「夢占い」的なものは、基本的に信じていない。占いで一喜一憂するのは、しんどいのである。しかも、自分が何度も殺される夢は、どう考えてもファックである。気分悪いぜ。

喉の渇きに苛々しつつ冷蔵庫を開けてみたのだが、この苛々を鎮めるための魅力的な飲み物はそこには一滴も入っていなかった。

Tシャツの上にカーディガンを羽織り、コンビニへ。結構寒くてびっくりする。バドワイザーを一気に飲み干して、今来た道を戻る。

すっかり目が覚めてしまったので、公園のベンチに腰掛けて、タバコに火を点けた。近くの線路を、貨物列車がガタゴトと通る。貨物列車は長い。一体いくつのコンテナを引っ張っているのだろうか?「13」まで数えて飽きた。

イヤホンからは、桑田佳祐の「悲しい気持ち」。この曲にまつわる思い出があった気がするのだが、すっかり忘れてしまった。しかし、思い出せないということは、思い出さなくても良いことなんだろう。きっと。

唐突に尿意。さっき流し込んだバドワイザーのせいか?、それとも微妙な寒さのせいだろうか?まあ、どっちでもよい。

私は足早に公園の公衆便所に向かい、汚れた便器に放尿した。放尿しつつ、嗅覚を刺激する不愉快なニオイに気付いた。

放尿し終わった私は、その不快なニオイが漂って来るトイレの個室の半開きのドアを、足で蹴り開けた。「ギィィ…」という、ドアの軋む音が、やたら大きく感じた。

個室内には、便器からはみ出した、カイデーなコンウーが、ズドンと鎮座していた。こりゃ、オイニーもツイキーなはずだ。

駅や公園の公衆トイレットでは、稀に見かける光景ではある。常々思っていることなのだが、仮にどれだけ焦り急いでいたとしても、カイデーなコンウーを便器からはみ出させる意味がわからない。何をどうしたら、そんな地獄絵図みたいな悲劇的なことになるのか?コンウーをするのに、どんなポジショニングをとっているのだ?わざとか?もしかしてわざとはみ出させているのか?そして、「コンウーをはみ出させた俺…今日もはみ出しチャンピオンだぜ…」と、悦に入ったりしているのだろうか?

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私のそんなどうでもいい疑問と、はみ出したコンウーを照らしている、天井の安っぽい蛍光灯には、何匹かの小さな虫がたかっていた。

さて、帰ってもう一眠りするとしよう。

公園へあと少し  

■目覚めると、まだ午前4時だった。
2~3時間の睡眠だったのに、頭の中がいつもよりもスッキリしている。よっぽど熟睡したのだろう。

■喉がカラカラに渇いているので、冷蔵庫の缶ビールに手を伸ばし…かけてやめた。理由は特にない。代わりに炭酸水にレモン果汁を入れて飲み干した。サッパリして美味い。甘くないキリンレモンみたいなものだ。この夏は、こいつにはまって何杯も飲んだものだ。

■ベランダに出て一服。まだ真っ暗だ。ひんやりした風に吹かれながら、夏はいつ終わったのだろう?と考えた。この前まで暑かったのに、気付けばすっかり秋である。

■何となく、二度寝するのが勿体なく思われたので、読みかけの本を開く。

中島らも著、『さかだち日記』。
ここでいう『さかだち』は、『逆立ち』ではなく『酒絶ち』という意味だそうだ。
にもかかわらず(?)、日記の中で氏は、たまにしれっと酒を呑んでいるし、海外の取材旅行では『いけないもの』でブッ飛んだりしているのが可笑しい。

躁病、鬱病、アルコール中毒を経験した、ものかきの日常を、淡々と綴った日記は、非常に興味深い。


■映画『おくりびと』の冒頭30分を観る。なかなか面白そうだ。週末に、また最初からじっくり観ようと思う。

■コーヒーカップを片手に、再びベランダへ。スティーリー・ダンの『Aja』を聴きながら、東の空が白くなっていく様子を眺める。目の前の景色に、音楽がピッタリはまって嬉しかった。

■やっと明るくなってきたので、散歩に出る。秋はブーツがはけるので、少し嬉しい。サンダルやスニーカーも好きだが、ブーツも好きだ。多少重くたって構わない。普通に歩くよりは少し速く、走るよりはゆっくりとした足どりを意識して、公園を目指す。公園が近付くにつれて、どんどん早足になってしまう。


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■公園に着くと、顔なじみの猫がいたので、朝の挨拶をした。
抱き上げると、猫は腕の中で「にゃあ」と鳴き、じっと私の顔を見ていた。
両腕と胸の辺りに、猫の体温を感じ、今更ながら「猫は温かいなあ」と思った。
夏はいつ終わったのだろう?気付けばすっかり秋である。そして、今度はいつのまにかまた冬が来る。

私は猫と一緒に、しばらくの間、風に揺れる木の葉を見ていた。

そして、猫に向かって「吐き気がするほどロマンチックだぜ…」と呟いた。猫は「にゃあ」と鳴いて、大きなあくびをした。




■YouTube-公園へあと少し / THE MAD CAPSULE MARKETS

わからないことがわかった朝  

昨夜はあまり眠れなくてですね。
全然眠れない訳じゃなくて、何度も起きてしまうのですよ。
「眠れないなら起きてたら?」自分にそう言い聞かせるも、何もしたいことがない。暇である。なんと贅沢な時間であろうか。

で、秋の夜長に読書と洒落込もうと思ったのだが、近頃の私は、元々のバカにより一層磨きがかかってしまい、恥ずかしながら、長い物語が読めなくなっている。読んだそばから、どんどん忘れてしまい、現在の私のポンコツ頭では、ストーリーを追うのが困難かつ億劫なのだ。なので、近頃は本を読むといっても、対談形式のものか、短編小説、短いエッセイ、画集や写真集をバカっ面で眺めるくらいが精一杯である。



図書館から借りてきた本を開いた。『転生 /著・田口ランディ イラスト・篁カノン』。田口ランディという名前は随分前から目にしていたが、読むのは初めてだ。

薄くて挿絵もいっぱいあるので、ポンコツ頭の私にもきっと読むことができるであろう。

テーマは「輪廻転生」。私自身、輪廻転生があるかないかはよくわからないし、とりわけ興味があるテーマでもないのだが、何となく目に付いて借りてきたのだった。

ペラペラとページを捲る。
30分ほどかけて、読み終えた。


…うーむ…よくわからん。
わかるような?わからないような?
すっかり眠気は醒めてしまった。
わからないけれどつまらないわけでもなく、何か見落としている気がする。
私は再び最初からページを捲った。
今度はさっきより時間をかけて、ゆっくりと読んでみよう。

…うーむ…やっぱりよくわからん。
だけど、なんだ?このモヤモヤした感じは?
何かを思い出せそうで思い出せない時のようなモヤモヤが、私のポンコツ頭を霧で埋め尽くす。
私は三度最初からページを捲った。
今度はイラストもじっくり眺めてみよう。

話の内容もさることながら、篁カノンという方のイラストが、妙に「ひっかかる」。
私は絵とかアートにはてんで疎いのだが、なんだか凄く「ひっかかる」のである。
その「ひっかかり」の正体がわかれば、モヤモヤを晴らす切っ掛けが見つかるかもしれないのに…。

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何度もページを捲ったり、戻ったりしているうちに、すっかり夜は明けていた。

「わからなくて良い」ことも、きっとあるのだろう。
私はそう結論づけた。
費やした時間は、決して無駄ではなかったと信じている。

MUTE  

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カバを見ている。
かれこれ一時間近く見ている。
ポケットサイズのウイスキーを、ちびちびと舐めるように呑みながら、カバを見ている。

近頃、意識的にアルコールを減らしていたので、今日は好きな時に好きなだけ呑もうと、起きた瞬間に決めたのだ。

積極的に、カバを見に出掛けてきたのではない。

気まぐれに降り立った地下鉄駅の周辺地図を見ていたら、わりと動物園が近かったんだ。

日曜日の動物園は、ヒトだらけだ。そりゃそうだ。勿論私もその沢山のヒトの一人である。

キーキーうるさいのは、猿ではなく、テンションの上がったヒトの子供である。しかし、日曜日の動物園に来ておいて「うるせえ」は、明らかに私が間違っている。私はMP3ウォークマンのVolumeを上げて、園内を歩いた。無意識に、人の少ない場所を探していた。

キリン、ゾウ、ペンギン…どこも凄い人だかりだ。

カバを見ている。
カバは人気がない。
何故だ?
動きがないからか?

イヤホンからは、爆音でデベッシュ・モード。

カバを見ている。
水の中のカバを見ている。

酒臭い息を吐く私は、カバに見られているのかもしれない。




■YouTube-Wong / Depeche Mode

Gone with the wind  

いやー、台風。
『タイ・フゥ』って表記すると、韓国ドラマのヒロインみたいじゃね?韓流ドラマ、一度も見たことないけれどさ。

私が住んでいる街では、雨はほとんど降らなかったのだけれど、そこそこ強い風だった。

イチョウの木から、大量の銀杏の実がボッコボコ落ちてきてさ。それを見ていたら、数年振りにパチンコを打ちたくなったのだけれど、性格的に向いていないのが解り切っていることと、軍資金不足を理由にやめてみた。

いつもより低く飛んでいる旅客機の轟音ノイズをBGMに、何気なしに銀杏の実を拾い上げる。

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…何かに…似ている?

しばらく考えてから、何に似ているかが分かった。


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公園に住んでいる、仲良しの猫さんのCAN-TAMAにそっくりだ。

また強い風が吹いて、私の頭の上に銀杏の実がバラバラと降ってきた。そいつはアスファルトに落下し、派手な音を立てたはずなのだが、2機目の旅客機のエンジン音に掻き消された。

It's too late  

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いつもの癖ってのはオソロシイもので、手にした途端にガッシュガシュ振っちまいましたよ。ええ…。

「開栓した途端に、コーヒーが噴水みたいにブヒャ~と噴くのも、絵面的に面白いかもな…」

期待と不安が交錯したのだが、いざ開けるとなんともなく。

ホッとしたような、少し残念なような、何とも例え難い気持ち。

でも、振らなかったらもっと美味しかったのだろう。振ってしまった時点で、商品のポテンシャルの何割かをロスしている可能性は高い。

そうだ。明日、もう一度挑戦してみよう。

しかし、明日もボトルを手にした途端にガッシュガシュ振ってしまうような気がしてならない。

Kid A  

歩いている時は、大概カナル式のイヤホンを耳に挿して、音楽を聴いている。今朝もそうだった。

すれ違う人達など見ていない。すれ違う人達だって、私など見ていない。そう思っていた。

曲と曲の間の、ほんの数秒の空白。

「おはようございます!」

それは確かに私に向けられた、朝の挨拶だった。狭い路地のすれ違いざま。そこを歩いているのは、私と、そして前から歩いてきた『彼』しかいなかった。

小学生の男の子だ。
私と彼は知り合いでもなんでもない。だが彼は、たまたま前方から歩いてきた私に朝の挨拶をした。私は少し驚きつつ、反射的に「お…おはようございます」と、彼に挨拶をし、私と彼はすれ違った。

私は、「ああ…曲間の無音部分でよかった」と思った。そうでなければきっと、私は彼の発した朝の挨拶に気付かなかったであろう。

と同時に、「もしかしたら、今までも自分に向けられた朝の挨拶があったのかもしれない---そして私はそれに気付かずにすれ違ったことがあるかもしれない…」と思った。

もし、そのようなことがあったとすれば、彼(等)から見た私は『挨拶したのに無視した大人』である。

20091007001646私は歩くスピードは緩めぬまま、首からぶら下げたMP3プレイヤーのボリュームを、少しだけ下げた。

赤信号で立ち止まり、「あの少年とすれ違えてよかったな」と思った。

そんな朝だった。

March of The Pigs  

なんかさー、イライラし過ぎてどうしようもない時だって、たまにはあるよね。

「落ち着け!…落ち着くんだ俺!」と、心の中で何度も叫ぶ。

その言葉のリズムは、明らかに「立て!…立つんだジョー!」に影響されており、それに気付いた私は、ほんの少しだけ可笑しくなり、俯(うつむ)いてニヤリと笑った。

なんだよ。まだまだ余裕あるじゃんよ。

私は心の中の丹下段平を「うるせえんだよ!この豚野郎のクソジジイ!」と一喝し、鼻血が出てからも何度も殴りつけた。

段平は鼻血を拭いながら、「ごめんよぅ…もう言わないよぅ」と、ブヒーンと鳴くように泣いた。

誰かを殴ったあとの、あのイヤーな気分は一体何なのだろう?

怒りやフラストレーションをぶつけた結果なのだから、ココロはスッキリ晴れやかになってもいいはずなのに、決まってその後は喉の奥の方に、熟れすぎて腐りかけたトロピカル系フルーツが詰まった感じだ。

そいつは異臭を放ち、臭くて堪らないのだが、咳をして無理矢理吐き出そうとすると、皮にビッシリついているトゲが刺さって、とても痛いのだ。

段平を殴ったことを後悔しながら、再び「落ち着け!…落ち着くんだ俺!」と、今度は『自分の言葉で』心の中で叫びつつ、ポケットからコインを取り出して、自動販売機に入れた。缶コーヒーを飲んで、一服しようと思ったのである。

自販機のボタンを押すと同時に、私は「あ!」と叫んだ。間違って、隣のボタンを押してしまったからだ。

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「…甘っ!」

基本的に、缶コーヒーはBlack無糖派である私にとって、この甘さは罰ゲームに近い。

私は小声で何度も「ごめんよ段平」と繰り返しながら、ブヒーンと鳴くように泣いたのだった。




■YouTube-March of The Pigs / Nine Inch Nails

期・気・key  

約一月前に旬だった話題に、今更触れるぜ。

恥ずかしながらビートルズをですね、「ちゃんと」聴いていないのですよ。

や、勿論有名な曲は知っているし、バンドの大まかな流れもわかる。ビートルズに影響を受けたアーティストは、この世にたくさん存在するし、間接的影響なんか含めれば、ビートルズの影響(手法)に全く影響を受けていないアーティストを探す方が、もしかしたら困難なのかもしれない。

何で今まで「ちゃんと」聴いてこなかったかというと、「聴きたい音楽が何も無くなった時に、ビートルズをじっくり聴きこもう!」と思っていたからだ。ところが、幸か不幸か「聴きたい音楽が何も無くなる」という状況に陥る気配は未だなしである。

これじゃ、いつまで経ってもビートルズをちゃんと聴かないままんじゃねえの?と思っていた矢先の、今回のデジタル・リマスターである。

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恥ずかしながら、全アルバムを一気に大人買いする経済力も度胸(?)も、持ち合わせていないのだが、個人的に好きな雰囲気の中期のアルバム、『ラバー・ソウル(RUBBER SOUL)』、『リボルバー(REVOLVER)』、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(SGT.PEPPER'S LONLEY HEARTS CLUB BAND)』、『マジカル・ミステリー・ツアー(MAGICAL MYSTERY TOUR)』を、月に一枚ずつ購入し、そこから広げていくのもありかなあ…なんて思っている。私はコレクター的な価値観は求めない方なので、飽きたらやめちゃうだけだがね。


…でも、これがきっかけで、ビートルズの面白さにハマったら、それはそれで嬉しい泥沼であるような気もする。

画伯  

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喫煙室の灰皿スタンドに描かれた落書き。

私も決して絵は得意な方ではないが…これはひどい。

これ描いた奴は、ゆでたまご先生に土下座な。つーか、落書きはよくないよ。

  

20091001163810
根本的に何かが間違って…はいないのだけれど、ちょっと強引かもなあと思った。

haunted days

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