氷とペプシNEXとダークラムを適当にブチこんだグラスを片手にベランダに出る。
風がない。あっても生温いのだろうけれど、ないより少しはあった方がいい。
さっきシャワーを浴びたばかりなのに、もう軽く汗ばんでいる気がする。
なるべくなら、シャワーを浴びた後、汗はかきたくないものだ。
ベタつくもんな。それはあまり気持ちの良いものではない。
でも夏だもんな。仕方ないさ。
グラスを空にして、しばらくボーッとしていた。
5分くらいだろうか?それとも10分くらいだろうか?
とにかく私は何も考えていなかった。
ただただ夜空を眺めていた。
街の灯りで空は明るく、星はほとんど見えない。
そんな、特に面白くもなんともない夜空を数分間もただボーッと眺めているなんて、我ながら吐き気がする程ロマンチックだぜ!
…くだらねえ。
何か考えよう…何か…。

そういや月がキレイだ。相変わらず星はあまり見えないが。
ロング・ロング・アゴー。
かつてアラビアの兵隊志願者は、ナントカって星座のナントカって星が見えると、視力検査合格だったそうだ。
太古の昔においては、ある程度視力が良いことが、兵士になる条件だった。
レーダーも、ズームアップできるカメラもない時代の話である。
私は視力があまり良い方ではないが、凄く悪いってわけでもない。
普段の生活においても、時と場合によって、メガネをかけたりかけなかったりの、所謂『高木美保スタンス』である。
私は兵隊さんになれるだろうか?
や、別になりたかないんだけれどさ。
そして再び、夜空を見上げた瞬間、上空を何かがスーッと横切ったのだが、それはきっと気のせいだと思う。
さて、やっぱり何も考えずに、もう寝るとしよう。