未了への、調律

ちょっと前にも書いたが、私は視力が良い方ではない。そのくせ眼鏡は気分でかけたりかけなかったりというスタンスである。

道の反対側に、「つけよう!生殖器!」と書いてある垂れ幕があった。

【全ゴ連(全日本、ゴムはきちんとつけようね連盟)】会長を自称している私としては、「うむ。全くその通りだな」と、大きく頷いた。

ちなみに連盟では会員を募集中である。
「性病拡散の防止」、「望まぬ妊娠の抑止」。このニ点に賛同する方は、是非加盟して戴きたい。

しかしながら、垂れ幕に目立つ赤文字で、デカデカと「生殖器!」とは、景観上如何なものか?

全ゴ連会長としては、非常に難しい立ち位置ではあるが、ここは一言物申さねばならぬシチュエーションである。話の流れによっては、激しい舌戦となってしまうかもしれないが、根底にある思想は繋がっているはずだ。

大切なのは、プロパガンダの手段ではなく、イデオロギーの擦り合わせである。場合によっては、全ゴ連と連立した、新しい組織が誕生するかもしれない…。

今の私がするべきこと…それは、「つけよう!生殖器!」その垂れ幕について、ディスカッションすることだ。

私は道路の反対側に渡った。

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大切なのは、プロパガンダの手段ではなく、イデオロギーの擦り合わせ---そして、自分に合った眼鏡なり、コンタクトレンズである。

日曜日は選挙ですよ。

【全ゴ連】は、日本の未来が少しでも明るくなることを期待しています!

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ですぞ

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「ムックの素」って、面白そうだけれど、結局何だかよくわかんねえな。

次の日の朝、目覚めると、全身が赤いフサフサの毛に覆われていて、頭から、用途が全くわからないプロペラみたいなのが生えていたら、グレゴール・ザムザよりもびっくりですぞ。

obscure

久しぶりに本を読もうと思いましてね。
ブックオフの105円コーナーをウロウロしていた。
特に好きな作家もいないし、「あまり小難しい…疲れるものは読みたくない」そんな気分なので、チョイスは適当である。

最初から「本を4冊買おう」と思っていた。
4冊に理由はないが、最初からそう決めていた。
ただ何となく、その本のタイトル、表紙の絵が気に入ったから。
3冊まではあっさり決まったのだが、残りの1冊…興味をそそる最後の1冊が、なかなか決まらない。

方向性を変えよう---私はある1つのコンセプトを立てた。
「普段なら絶対に手を出さない本を読んでみよう」という、チャレンジ精神とガッツ溢れる試みである。ok牧場!

音楽とか映画もそうなんだけれど、何気ない切っ掛けで手に取ったものが、思わぬところで「自分の中で大当たり」することはたまにある。また、最初は「この人とは絶対に気が合わないだろうなあ」と思った人物とよくよく話をしてみると、意外なところで意気投合し、末永く友人関係を築くこともたまにある。私は最後の1冊に、そんなミラクルを期待したのだった。

「普段なら絶対に手を出さない…普段なら絶対に手を出さない…」
呪文のように呟きながら手に取った1冊。

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こちらが、その本の裏表紙である。
どうだ?普段の私なら「普段なら絶対に手を出さない」こと間違いない。

私はその足で、冷房の効いた某コーヒーチェーン店に入店。
アイスコーヒーを啜りながらページを捲った。

ところがというか、やはりというべきか、10ページ読んだ時点でイライラしてきた。
よくわからんが、イライラする。
何もかもが、私にとってはイラつくのだ。
ある意味これも「ミラクル」なのだろうか?

30ページ読んだ時点で、登場人物全員の尿道に爪楊枝とマッチ棒を詰めたくなった。
50ページにさしかかる頃には、登場人物全員のお尻の穴に、その歳の数だけフリスクの粒を詰め込みたくなった。下品ですまない。でも、これが本当の気持ちなんだ。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ…ポイズン。

私は本を閉じて、タバコに火を点けた。
隣のテーブルでは、3人組のギャル達が、先週の合コンの反省会(?)をしている。
全員20歳そこそこくらいだろうか?いずれも目の周り真っ黒のアイメイクを施しているが、ゴシック・パンクの人達ではなく、至って普通の「今時のギャル」といった感じだ。

「だってさーアレは無理、絶対ムリムリ」
「ありえないよねー」
「でもさ…レンアイ…したいよね」
「どこかにさー、いい人いないかなー」
「どこかって?」
「だから、どこか」

その会話の着地点を見つけるのは、一休さんでも困難そうであり、私にとっては全くもって、どうでもいいことこの上ないはずなのだが、彼女達の会話から醸し出される空気感には、ある意味とても純粋な何かが宿っているような気がして仕方なかった。

さっき閉じたばかりの本を、もう一度開いて、パラパラと捲ってみる。
やはりイライラする。
ぼんやりと活字を追いながら、その理由を考えてみたが、結局よくわからなかった。
ただ、1つだけわかったことは、「この本は、私の為に書かれた本ではない」ということだけだ。

さらに視点を少しずらしてみよう。
37歳の男が、これを読んで、感動したり共感しちゃうのは、それはそれで何か違うような気がするのだ。そこには絶対的な正解も不正解もないが、『私は』そう思った。

年齢を重ねるごとに、失ってしまった何か、捨てざるを得ない何か。
時代と共に変容する価値観。こだわり。常識。

決して全てを否定する気はないが、全てを迎合する気もない。
私はタバコを灰皿に擦り付けながら、本を閉じた。
この本を私が開くことは2度とないのだが、きっとそれで良いのだと思う。

誰かのクラクション

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夕食後のウォーキング…っつーか、まあ「散歩」だな。

当たり前だけれど、いろいろな人がいて、すれ違う沢山の人達は、どう考えてももう二度と会わない人がほとんどなんだな。「だからどうしよう」とか「どうしたい」とか、そんなの何もないんだけれどさ。

これって確か17歳の時にも思ったことだ。うわー…20年間進歩なしかよ。

どこかでクラクションが鳴った。あの時もそうだったような気がする。

そのクラクションは、誰かに注意を促すでもなく、怒りに任せたものでもなく、私には「どことなく悲しい音」に聞こえた。

あの時もそうだったような気がする。
でも、ただの気のせいなんだけれどな。きっと。

世界陸上ベルリン大会

久しぶりにテレビをつけてみた。

競技そのものよりも「ODAさんのアップはいつくるんだ?」とか、「次のODAさんのコメントまだかな?」とか、「あれ?ODAさんテンション低くない?」とか、「いつテンション上がるんだよ?遅い!遅すぎるよ~!…何やってんだよODAァ~!」とか、ODAさんの事しか考えていない自分発見。

一流のアスリート達が死に物狂いで闘っているというのに、私は一体何をやっているのだろう?何を待っているのだろう?

そして、大きく深呼吸して、テレビのスイッチを切ったのだった。

World's End Supernova

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鳩の首のところ(?)のグラデーションって、こう言っちゃなんだけれど、何かキモいよね。

何色なの?アレ?
何でそんな色してんの?
そこに必然性はあるのかい?
そこに愛はあるのかい?
心にダムはあるのかい?

なんてことを思っていたんだけれど、木と一体化して眠る野良猫を見ていたら、そんなのどうでもよくなった。

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「よくわからないけれど、最初からそうなんだろ?だったらもう、それでいいじゃん」

何故か「マンモスうれP」と思った。




■YouTube-World's End Supernova / くるり

0812

昨日、8月12日は、私の父方の祖父母の命日だった。
日航機墜落事故と同じ日だが、二人がこの飛行機に乗っていた訳ではない。

祖父は60歳で亡くなった。
それから20数年後の、同じ8月12日に祖母は亡くなった。
夫婦揃って同じ日付に一生を終えるなんて、狙ってもなかなか出来る事ではないだろう。
その点について、私は「ん~…なんだかスゲーな」と思うのだ。

客観的にとらえると、二人共たまたま同じ8月12日に亡くなったに過ぎないし、そこに意味は全くないのだろう。

私は「死」に対して「美」や「憧れ」みたいなものを絡める感覚は、決して持ち合わせてはいない。
ただ、祖父母が同じ8月12日に亡くなった事実…上手い言葉が見つからないが、そこにはほんの少しだけ「ファンタジー」を感じるのだ。


祖父が亡くなる前夜、5歳の私は、庭で祖父母と花火をした。あの夜の花火の匂いを、今でも覚えている。

花火の匂いなんて、いつだって同じような火薬のニオイに過ぎないのだが、あの夜の花火の匂いを、今でも憶えている。

TERRITORY

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少なくとも私には、その「ふり」に、意味を見出だせなかったんだ。


4 JUNK 2 POP

腹9分目な感じで、ワイルドに晩飯を食ったにもかかわらず、日付が変わったあたりから腹が減って仕方ない。

しかも無性に牛丼が食いたくて仕方ない。

「でもなあ…この時間に食ったって、太るだけだし、第一吉野家に行くのがめんどくせー…ちょっと眠いしな。ああ!でも牛丼食いたいぜ」

と、悩み続けて2時間。現在時刻は午前2時。

「むお~!やっぱり我慢できん…2時間悩んでいるなら、最初の時点で牛丼食いに行けばよかったんじゃねえの?その時、即行動してりゃ、今頃は牛丼で腹も満たされて、ゆっくり眠れてたんじゃねえの?」

そう思ったら、とても自分に腹が立ってきて、マッハの勢いで着替え、財布とカギを握りしめて、家のドアを開けた。

「ガチャリ」カギをかけて、エレベーターに向かって歩く。
生温い風が頬を撫でた。私は何となく足を止めた。

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「やっぱりめんどくせー!」

悩んで悩んで、やっと着替えて外に出たのに、風が吹いただけで、気が変わってしまった。「やっぱり明日でいいや。もう寝よ」

己の優柔不断っぷりに、心の奥底で後ろめたさを噛み締めつつ、真夜中のJunkFoodは、何故あんなにも美味いのかを考えながら寝るとしよう。

ああ…それにしても腹減ったな。
そうだ!牛丼でも食べに行こうかな。

chase the shooting star

氷とペプシNEXとダークラムを適当にブチこんだグラスを片手にベランダに出る。
風がない。あっても生温いのだろうけれど、ないより少しはあった方がいい。

さっきシャワーを浴びたばかりなのに、もう軽く汗ばんでいる気がする。
なるべくなら、シャワーを浴びた後、汗はかきたくないものだ。
ベタつくもんな。それはあまり気持ちの良いものではない。
でも夏だもんな。仕方ないさ。

グラスを空にして、しばらくボーッとしていた。
5分くらいだろうか?それとも10分くらいだろうか?

とにかく私は何も考えていなかった。
ただただ夜空を眺めていた。
街の灯りで空は明るく、星はほとんど見えない。
そんな、特に面白くもなんともない夜空を数分間もただボーッと眺めているなんて、我ながら吐き気がする程ロマンチックだぜ!

…くだらねえ。
何か考えよう…何か…。

soraImage843.jpg

そういや月がキレイだ。相変わらず星はあまり見えないが。

ロング・ロング・アゴー。

かつてアラビアの兵隊志願者は、ナントカって星座のナントカって星が見えると、視力検査合格だったそうだ。
太古の昔においては、ある程度視力が良いことが、兵士になる条件だった。
レーダーも、ズームアップできるカメラもない時代の話である。

私は視力があまり良い方ではないが、凄く悪いってわけでもない。
普段の生活においても、時と場合によって、メガネをかけたりかけなかったりの、所謂『高木美保スタンス』である。

私は兵隊さんになれるだろうか?
や、別になりたかないんだけれどさ。

そして再び、夜空を見上げた瞬間、上空を何かがスーッと横切ったのだが、それはきっと気のせいだと思う。

さて、やっぱり何も考えずに、もう寝るとしよう。



焦燥

濃紺じゃ

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「パネルに手をかざすと、水が流れます」

出産後のわしは、手をかざしたんじゃ

ところが、水が流れんのじゃ

わしゃ、焦ったの

その時、額にジワリと滲んだ汗は、夏の暑さのせいだけじゃないけえ

過剰なハイテクは、両刃の剣じゃ

じゃあの

バードメン

1階…2階…3階…

私はエスカレーターの上を歩く。
別に急いではいない。

エレベーターは、あまり好きではない。
エレベーターを待つのが、あまり好きじゃないんだ。
エレベーターの中の【空気】も、あまり好きではない。

なおもエスカレーターの上を歩く。
4階…5階…ん?

メンテナンスだろうか?それとも何らかのトラブルだろうか?


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停止したエスカレーターの上を歩くのは、何か気持ち悪い。
理由はわからないが、とても気持ち悪い。

さっきまでだって、エスカレーターの上を歩いていた。
動いているエスカレーターの上を歩いているのはどうってことないのに、止まっているエスカレーターの上を歩くのは、何故こんなに気持ち悪いのだろう?

その理由を考えていたら、急に飛びたくなった。
だが、私は飛べない。
飛ぶ訳にはいかない。

仕方がないので、止まっているエスカレーターの上を跳ぶように歩いた。
大体同じようなもんだ。
これで充分だ。




■YouTube- The Birdmen / thee michelle gun elephant

R.I.P.

haunted days

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Ystk a.k.a濃紺

Author:Ystk a.k.a濃紺
◆1971年生まれ。廃人寸前からサラリーマンへ奇跡の転身。 音楽好き。愛すべき80年代カルチャーを礎に、現在を生き未来を感じたい。東京→仙台→札幌→福岡。

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