暴れだす
2009/06/05(Fri)
喉から胃にかけて、鉄の棒が入っている気がする。
そいつは、形を変えながら、ゆっくりと回転する。
いつも決まって右回りだ。

棒が細い時は、どうってことないんだけれど、たまに喉いっぱいに膨れあがるから、そんな時は息苦しくてたまらない。さらに、そいつが回転するものだから、胃壁を擦って痛いんだ。

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腕時計に、てんとう虫がとまった。
虫は全般的に、あまり好きじゃないんだけれど、何故かてんとう虫は許せたんだ。なんでだろ?理由はわからない。

「こんなところにとまっていたって、何もいい事ねえぞ。それに、ちょっと俺の気が変わったら、俺はお前を叩き潰すかもしれないんだぞ。そうなる前に、飛んでいった方がいいんじゃねえの?」

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私は軽く左手をブンブンと振ったのだが、てんとう虫は、その居場所をちょっと変えただけで、相変わらず私の時計にとまっていた。

「わかったよ。じゃあ、好きなだけそこにいればいいよ」

そう思った瞬間に、てんとう虫は飛んで行った。
その時、何か思って---今日は、その【思ったこと】を書こうと思っていたんだけれど、何を思ったのか、すっかり忘れてしまった。

ただ、胸の奥がざわざわした感じと、喉の中で鉄の棒が回って、ザラザラと音を立てていたことだけは憶えている。

不思議なもので、少しビールを飲むと、棒は回転を止める。
時には、髪の毛くらいの細さにまでなって、息をするのも楽ちんだ。
なので、私は今夜もビールを飲んでいる。

いつか、棒はなくなると思う。
そう信じている。

そんなことを考えながら、今夜何本目かのビールを空にした。

■YouTube-暴れだす / ウルフルズ

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