SMASH IT UP

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海沿いの道を歩いていてさ、歩き疲れて、道端に腰を下ろしたんだ。

しばらくしたら、目の前を、右から左に男性が歩いて横切って行った。

彼は足が不自由だ。
その歩き方は【ストレンジ】であるかもしれないが、決して【ファニー】ではない。

彼とすれ違う形で、左から右へ通り過ぎる二人組の女性の会話が耳に入ってしまった。

「かわいそうにねえ」
「ほんとにねえ」

すれ違った彼をして「かわいそう」という発言である。

その発言は、決して悪いことではないし、ある種、慈悲深く、人としての優しさに溢れるものかもしれないが、私はちょっとした違和感を覚えた。

「彼は本当にかわいそうなのだろうか?」

勿論、私自身、膝を中心点とし、両足で円を描くように歩を進める彼を見て「大変そうだなあ…」と思ったことは事実である。

だが、それをして「かわいそう」と思うのは、逆にちょっと違うんじゃないか?と。そう思うこと自体が、彼に対して失礼なことなんじゃないか?と、上手く言葉にならないけれど…そんな事をぼんやりと思っていたんだ。

彼の歩き方が、先天的なものなのか、あるいは、事故や病気による、後天的なものなのか、私には知るよしもない。

彼の歩き方を見て「かわいそうだ」と言った彼女達に、悪意は決してないであろう。それもわかっている。

ただ、【第三者に対する本当の優しさ】とは何なのか、足りない頭で少しだけ考えてみた。明確な答えは出なかった。そんなに単純なことではないだろうし。

汗ばんだ身体に、海風が心地よかった。


彼はどこまで歩いたのだろう。



■YouTube-Smash It Up / The Damned
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ROSE OR LOSE

「あー、こんなところに公園あんのか」

日曜日の朝のことである。
その公園には、ちょっとした野球場が併設してあり、私はベンチに腰掛けて、そこで行われている草野球を何の気なしに眺めていた。

缶コーヒーを飲み干して、タバコに火を点けたところで、走塁ミスのランナーが1-2塁間に挟まれた。

ランナーは1-2塁間を行ったりきたり。
彼の頭上をボールは何度も往復し、1塁手と2塁手は、どんどんその幅を狭め、ランナーを追い詰める。

「こりゃアウトだろうな」

状況から言って、このケースの場合、大概ランナーは逃げ回った挙句、タッチアウトというのが相場である。

彼がアウトになろうが、セーフになろうが、私の知ったことではない。
私はそこで行われている草野球を何の気なしに眺めているだけなのだから。

ところがである。
ランナーである彼は、巧みなフェイントをかましつつ、華麗なステップを踏むと一瞬の隙をついて、2塁手の脇をすり抜け、見事2塁に進塁したのである。

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私は「こりゃアウトだろうな」と思ったことを、後悔した。
そう思ってしまった自分を恥じた。

ランナーの彼はきっと、1-2塁間を行ったりきたりしている時、「俺は必ずアウトになるんだ。もうダメだ」とは思っていなかったであろう。

つまり、そういうことだ。


ROSE OR LOSE / THE WILLARD

叫び

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立ち寄った本屋さんのPOP。

ああ…確かにこのジャケットは、こういう風にしたくなるよな。

暴れだす

喉から胃にかけて、鉄の棒が入っている気がする。
そいつは、形を変えながら、ゆっくりと回転する。
いつも決まって右回りだ。

棒が細い時は、どうってことないんだけれど、たまに喉いっぱいに膨れあがるから、そんな時は息苦しくてたまらない。さらに、そいつが回転するものだから、胃壁を擦って痛いんだ。

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腕時計に、てんとう虫がとまった。
虫は全般的に、あまり好きじゃないんだけれど、何故かてんとう虫は許せたんだ。なんでだろ?理由はわからない。

「こんなところにとまっていたって、何もいい事ねえぞ。それに、ちょっと俺の気が変わったら、俺はお前を叩き潰すかもしれないんだぞ。そうなる前に、飛んでいった方がいいんじゃねえの?」

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私は軽く左手をブンブンと振ったのだが、てんとう虫は、その居場所をちょっと変えただけで、相変わらず私の時計にとまっていた。

「わかったよ。じゃあ、好きなだけそこにいればいいよ」

そう思った瞬間に、てんとう虫は飛んで行った。
その時、何か思って---今日は、その【思ったこと】を書こうと思っていたんだけれど、何を思ったのか、すっかり忘れてしまった。

ただ、胸の奥がざわざわした感じと、喉の中で鉄の棒が回って、ザラザラと音を立てていたことだけは憶えている。

不思議なもので、少しビールを飲むと、棒は回転を止める。
時には、髪の毛くらいの細さにまでなって、息をするのも楽ちんだ。
なので、私は今夜もビールを飲んでいる。

いつか、棒はなくなると思う。
そう信じている。

そんなことを考えながら、今夜何本目かのビールを空にした。

■YouTube-暴れだす / ウルフルズ

私の頭の中の消しゴム

数年前から思っていたが、以前に比べてあまり「字」を書かない。
パソコンや携帯電話の変換文化の弊害なのか?

なので、たまにペンを握ると、自分の書いた字が恐ろしく下手クソだったり、「あれ?あの字、どう書くんだっけ?」って事態に直面し、びっくりすることがある。

なにも「薔薇」とか「憂鬱」とか書きたい訳ではない。
日常生活において、大人として恥ずかしくないくらいの…せめて義務教育で習う漢字は書けるレベルでいたい。

以前は何の躊躇もなく書けていた字が、現在書けなくなっているのが、びっくりなのだ!【躊躇】もそうだ。

このペースで字を忘れていくと、10年後には完全にハイパー・バカになっていて、自分の名前を書けるかどうかすら怪しい…。

漢字ドリルの購入を、本気で考えている今日この頃なのであります。

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何処へでも行ける切手

喫煙コーナーで、タバコに火をつけた。
吐き出した煙は、東京の空に溶けていった。

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北ウイング。
脳内iPodで、この曲が再生された私は、ザ・ベストテン世代だなあと思った。
■YouTube-北ウイング / 中森明菜
でも、この曲はきっと羽田じゃなくて成田だ。

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前夜、ほとんど眠っていなかったので、機内でウトウトしているうちに、あっという間に千歳についた。

自分の中での【相対的な距離感】の乱れを感じたが、きっと日本は思った以上に狭い。世界はもっともっと広い。本気で「行こう!」と思えばどこにだって行ける。空港にいるから、余計そう思うのだろうけれど。

喫煙コーナーで、タバコに火をつけた。
吐き出した煙は、北海道の空に溶けていった。

東京で吐き出した煙は、どこを漂って、どこに行ったのだろう?

■YouTube-何処へでも行ける切手 / 筋肉少女帯

いいとも!

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ド早朝のJR新宿駅東口は、まだ人影まばら。

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サングラスの彼がこの場に来る頃、既に私は北海道の土を踏んでいる。

いいともいいともいいトモロー。

「トモローって何だ?」と、ずっと思っていたのだが、これはやはり「いいtomorrow」と解釈すべきなのだろうか?

「今日はダメでもいいトモロー、きっと明日はいいトモロー…」

よく考えると、なんともポジティブなバイブスに溢れたリリックであることに気付く。【明日】と【tomorrow】を 巧にひっかけ、番組名【いいとも】の語感を崩すことなく、あえて【トモロー】と発音するアイデアは、最高にクールだ。

とか言っているが、もう随分長いこと、「笑っていいとも!」を見ていない。
全然ウキウキwatchingしていなくてすみません。

空洞

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新宿御苑。

東京の真ん中なのに、土と緑の匂いがするのは、とても不思議な感じがした。

なにより、空が広く見える。遮蔽物が何もない贅沢さに、少しばかりの違和感。

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もうちょっと天気がよければ最高だったんだけれどね。

haunted days

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Ystk a.k.a濃紺

Author:Ystk a.k.a濃紺
◆1971年生まれ。廃人寸前からサラリーマンへ奇跡の転身。 音楽好き。愛すべき80年代カルチャーを礎に、現在を生き未来を感じたい。東京→仙台→札幌→福岡。

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